世界で最も古いと考えられている下水処理施設があります。何年前のものでしょうか?
日本にはまだ文明と呼べるものがなかった遥か遠い時代。すでに世界のある国では下水処理システムが構築されていたんです。
世界最古の下水処理システム
時代をさかのぼること、なんと、4500年前。世界4大文明発祥の1つ、パキスタン南部のインダス川流域で栄えたインダス文明。その代表的な遺跡である、世界遺産モヘンジョダロ。ここが、世界最古の下水処理システムがあった古代都市として知られています。
モヘンジョダロは奇跡の都市
モヘンジョダロは、大変高度な建築技術と下水道技術、井戸の揚水技術、ダストシュートをつかったごみ処理技術など、これほどまでにすごい技術があると4500年前ということが信じられないぐらいです。
モヘンジョダロの下水処理システム
もっとも驚くべきなのが下水処理システムです。汚水を処理するための下水道があり、水洗トイレもあったというから驚きです。現代と同じく、浄化槽をつくって汚水を浄化したり、汚水貯水槽に段差をつくることで、効果的に汚泥を沈殿させる。という下水処理を行っていました。
ゴミに関してはもはや現代と同レベル
ゴミの収集システムも現代と同じです。ダストシュート(ゴミ箱)にゴミを捨てておくと、定期的に清掃員がきて回収する。いまと全く同じ方法です。そう考えると、実はゴミ処理についての技術は、4500年前とほとんど変わってなくて、目に見える部分ばかり良くなって、臭いものには蓋をし続けてきたのかもしれません。
ちょっとモヘンジョダロに行きたくなりました
余談になりますが、モヘンジョダロに暮らしていた人々は、食うや食わずや。というような生活ではなくて、とても豊かに生活していました。サイコロやチェスのような遊びも楽しんでいて、賭博も行われていたようです。しかし、どんなに栄えていたとしても、永遠の繁栄というのは難しいようで、紀元前1800年、住民のすべてが突然死亡してしまいました。
その原因についてはいまだに謎につつまれているようです…。