海に微小なプラスチックが漂流している!?

ベルギーの養殖ムール貝の体内から微小なプラスチックが発見されました。

海で漂流する微小なプラスチックをムール貝が食べ、そのまま排出物として海に戻れば、それほど問題はないはずですが、
今回、大きな問題になったのは、ムール貝が微小なプラスチックを体内に蓄積しそうな兆候があったためです。

 

海に漂流するプラスチックの何が問題なのか?

魚貝類が微小な漂流プラスチックを体内に蓄積するのであれば、食物連鎖により人間の体内にプラスチック粒子が大量に取り込まれているのではないか?という懸念が一気に世界に広がりました。
プラスチックは人間が分解することができない物質であり、人間の体内に蓄積していくことで何かしらの病気の原因になってしまう可能性が懸念されているわけです。

 

プラスチックといえばトランス脂肪酸も問題になりました

プラスチックが体内に蓄積される問題といえば、トランス脂肪酸もプラスチックと似た分子構造であり、アメリカではトランス脂肪酸の使用が制限されたり、食品への使用した場合の表示が義務づけられたりしています。
日本ではそういった規制はありませんが、トランス脂肪酸のことを気にする人々や記事を見る機会がブログなどで増えている印象です。個人が自由に情報を発信できる良さがインターネットであり、信頼できない情報もありますが、いろいろな情報が手に入るのはありがたいことだと感じます。

 

国際連合も本格的に調査を始めている

国際連合では海で漂流するプラスチック問題に高い関心を寄せており、今年から人間が食べるシーフードへの影響を本格的に調査し始めました。でも、そもそも、海で漂流するプラスチックの原因は何なのでしょうか?

 

微小なプラスチック、マイクロプラスチックが問題に

プラスチックのゴミが海に流れ出ると、波や太陽光による劣化で細かく砕け、回収困難なほど小さな微粒子になります。特に大きさが5ミリ以下の粒子は「マイクロプラスチック」と呼ばれ、これが海に漂流し、魚貝類の体内に取り込まれるのではないかと問題となっています。

 

さらに問題とされているプラスチックはなんと化粧品など

なんと化粧品や洗顔剤に多用されるプラスチックの微粒子が生活排水を経由して海に流れ込んでいることが問題視されています。化粧品にプラスチックが使用されていること自体が驚きですが…。欧州では年間4300トンのプラスチック(93%はポリエチレン)が化粧品から生活排水として海に流れ出ていると指摘しており、天然素材へと変えるべきであるとの意見が出ています。実際に、国連環境計画は化粧品にプラスチックの微粒子を使うのを中止するように提言を発信しているのです。

 

プラスチックゴミの流出量はどのぐらい

アメリカのジョージア大学によると、世界全体で海に捨てられるプラスチックごみは年間で480万~1270万トンと推定され、今後も増加が懸念されています。特に経済発展が著しい中国や東南アジア諸国での流出量の増加は、特に深刻になるだろうと予測されており、海岸を接する日本も決して他人事ではありません。

 

プラスチックが有害物質を引き寄せる

プラスチックのゴミはポリ塩化ビフェニル(PCB)など有害な化学物質を吸着しやすい性質をもつので、体内に取り込まれるときに、有害物質を一緒に体内に取り込んでしまうことも大きな問題と考えられています。食物連鎖の中で動物性プランクトンや魚貝類が有害物質を取り込み、知らず知らずのうちに食品に混入するリスクも考えられます。

 

石油系合成界面活性剤の話に通じるものが…

こういった新たな水質汚染問題が生じてきた訳ですが、水質の汚染が人体にどれだけ影響を与えるのか?というのは非常に難しい問題です。個人差もあるでしょうし、何より影響が出るまでの期間が長すぎて、原因がはっきりしません。石油系合成界面活性剤の問題もそうでしょう。体にはよくないと言われていても、これぐらいなら大丈夫だろう。という人が大半です。実際にそうかもしれませんし、そうではないかもしれません。

こういった長期的な判断を要する問題に対してどう判断すべきなのか?

わからないことだからこそ自分の感覚を大事にしたいと思います。

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