われわれが住んでいる日本という国は、四方を海に囲まれ、あちこちで温泉が噴き出し、湧水もあり、河川も豊富です。
江戸時代から続く教育の成果でもありますが、環境保護に対する意識も高く、河川をきれいにするための浄化槽や汚水処理の仕組みも発達しているので、「水がなくて死んでしまう!」という経験をすることはまずありません。ありがたいことです。
水不足は深刻な問題になっているが…
しかし世界に目を向けてみると、水不足に悩んでいる国や地域はたくさんあります。
水不足が原因で戦争が起こるなんてことも、学者の間ではささやかれていますが、わたしくは技術の発展によって個々の水不足問題は解決できると思います。
最近では空気中の水分を集めて水をつくる水筒や、海水や汚水を濾過して真水にする技術が進んでいることも、個々の人間単位で考えると、水不足に対して楽観的になれる部分です。
ほんとうに水不足を心配しているのは
ところが、ほんとうに水不足で困っているのは農作物です。畑や樹木など、屋外で野菜や果実を育てている農家さんです。
みずみずしい野菜や果実はたくさんの水を必要とします。豊富な水があるからこそ野菜や果実をつくることができるのです。
たった一年の干ばつで野菜や果実が全滅してしまったとしたら、その年の収入がなくなってしまうわけですから、農家さんは仕事を続けていくことができなくなります。農家の水不足は廃業と隣り合わせなのです。
カリフォルニアが干ばつに悩んでいる
アメリカのカリフォルニア州は、まさに水不足が現在進行形で進んでいる地域です。4年越しの干ばつで河川は干上がり、ダムは小さな小さな池になっているほどです。
そういった雨が降らない状況で農作物を作るには、地下から水を吸い上げるしかありません。
しかし過剰な地下水のくみ上げにより、地下水の量も激減、いよいよ地下水すらなくなってしまう。というところまで追い込まれてしまっています。
地下水を貯蓄するという技術
やはり、ここでも技術革新が農家の水不足を助けることができるのではないか?と期待されています。
短時間に大量に雨が降ったときは、地下に水が浸み込むよりもはるかに早く、雨水が地表を流れていくので、豪雨のほとんどは地下水にはならず海に流れ出てしまいます。
その水を誘導し自分の土地に貯めておくことができれば、地下水を十分に補うことができるはず。あとはどうやって豪雨の水を土地に貯蓄できるかです。
地下水に水を貯める技術といえば
地下水に水を貯める技術といえば、実は日本では古くから行われていた技術です。
米をつくるための田んぼ。あれはまさに地下貯水技術の結晶です。
河川や雨水が田んぼに流れ込むように排水溝をつくり、いったん田んぼに流れ込んだ水がこぼれないように堤防で囲います。そうすることで水は長い時間をかけて地下に浸み込んでいくことができるのです。
畑や樹木園は田んぼとは違えども
田んぼのように地下水を貯めていく技術が畑の作物や樹木園にも最適なのか?
未知の部分もありますが、何もしないまま終わってしまうよりは、できることは試してみるべきでしょう。
カリフォルニアでも樹木園に水を誘導して、地下水へと浸み込ませる実験が行われているようです。
カリフォルニアでは節水基準という販売規制も
カリフォルニア州では2016年1月1日から、シャワーヘッド、トイレ、水道の蛇口など、政府がみとめた節水基準を満たしていない商品の販売が禁止されることになりました。
個人個人が節水に関心を持つことは大事ですが、政府や国が主導となり、水不足に対する施策を考えていくことも、即効性という点では大事なのかもしれません。