ブロークン・ウィンドウ理論

アメリカの心理学者であるジョージ・ケリングが発表した「割れ窓理論」という人間心理があります。

割れた窓が放置されている家は管理が行き届いてないと考えられるので、泥棒や犯罪に巻き込まれる可能性が高くなる。という理論です。

 

個人の問題にとどまらず・・・

ここからが興味深いです。窓の割れた家があると、その家の周辺も管理が行き届いていない、放置されている。と人間は考えてしまうらしく、ゴミのポイ捨て等が他の場所と比べて多くなってしまいます。そうすると、町の景観が悪くなり、住民のモラルも低下するという、負のスパイラルが始まります。いったん始まった負のスパイラルは止まらず、いつしか凶悪犯罪にまで発展してしまう。という理論です。

 

環境問題に置き換えるとどうでしょうか?

最初は割れた窓ガラスがそのままになっていただけなのに、それが原因で、その町で凶悪犯罪が起きてしまう。という話。それでは、このブロークン・ウィンドウ理論、水質におきかえるとどうでしょうか?

 

たとえば近所の河川が汚かったとしたら・・・

みなさんが居住している近くに川があるとします。その川から悪臭がしたり、川にゴミが捨ててあったりしたら、人間はゴミを川に捨てることに抵抗を感じなくなってしまいます。どんどん川が汚れていくと、ますます川にゴミを捨てる人が増えるでしょう。また、たまたまその川を通りかかった人が煙草を捨てたいと思ったとき、きたない川にタバコをポイ捨てすることに罪悪感を感じるでしょうか?もし感じたとしても、その罪悪感の度合いは、きれいな川と比較すると小さなはずです。

 

人間とは流されやすい生き物

これぐらいは大丈夫だろう。という少しのポイ捨てが、実は近所全体を汚すことにつながる可能性を秘めている。ということ。そしてその行為が、地域の住民の気分を害し、大きな犯罪につながっていくこともあり得る。ということ。その犯罪が自分自身に降りかかってくるとも限らないということ。ゴミ問題や環境問題について、実はこのブロークン・ウィンドウ理論が大きな解決策になりそうな気がしています。

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