海のプラスチック汚染がどうも気になりだして。

海のプラスチック汚染がとても気になる

近頃、いろいろな記事やネットで海のプラスチック汚染についての情報を目にすることが増えてきた。記事だけではなく、海の中を散乱しているプラスチックを動画で見せられると、さすがに気がめいるのだが、果たしてこの問題を誰かが解決しようとしているのだろうか?

どのぐらいのプラスチックを捨てているのか

海洋にプラスチックを捨てているのはどこなのか、まずはその排出元について、日経サイエンス2018年4月号より、海に流れ込むプラスチックの総重量を調べた記事がありましたので抜粋。

・海に行きつくプラスチック 毎年800万トン

・河川から海に流れ込むプラスチック 毎年47万トン~275万トン

・特に、揚子江が年間150万トン、次いで、インダス川、黄河、海河、ナイル川などが続きます

数値が信頼できるかどうかはわかりませんが、こういった情報を計算してくれる方がいることで、一つの問題提起につながっているのは間違いないのでありがたい。

やはり大きな河川、かつ経済成長が盛んなエリアからたくさんのプラスチックが排出されているようです。

プラスチックが世に出てきてから、まだ数十年ですが、あまりに便利で軽いため、爆発的に生産が広まりました。それだけではなく、プラスチックは生分解に時間がかかるため、いつまでも海を漂うことが景観上の汚染としてわかりやすい一面はあります。

 

本当の恐ろしさは人体への影響がまだ未知であること

海に浮かんでいるプラスチックも問題ですが、個人的に怖いかもな、と思うのは目に見えないほどの小さなプラスチック、マイクロプラスチックです。

微生物や小エビなどの小さな生物が体内に取り込み、それを魚が食べるという生物濃縮により海洋の環境問題が人体に被害を与えることが、残念ながら水俣病で証明されていますが、おそらくマイクロプラスチックもその類であることは間違いありません。

ただその毒性はどうかとなれば、水俣病の原因である水銀とは比較にならないほど低いと考えられるので、すぐに病気を発症するということはないのだろうと思いますが、長期的に摂取し続けたときの影響というのは未知の世界です。人間にとってはたいした影響ではないのかもしれませんし、摂取し続けることで何かしらの体調不良を起こすのかもしれません。

テレビ番組で花粉症とプラスチック摂取との関連を声高々に唱えているコメンテーターの方を偶然見ましたが、そのときは司会の方が見事にスルーしているぐらいでしたから。。。

 

とはいえプラスチックを食べたくないのは間違いない

プラスチックを摂取したときの健康被害の有無はわかりませんが、いままでなかったプラスチックが海に流れ出しているのは間違いなく、それを食べたくないのは誰でもそうでしょう。

特に小さなプラスチック、あれが鳥や魚の内臓に蓄積されていることが調査により判明していますから、個人的にですが、魚や鳥の内臓はもう食べたくないと思っています、一匹丸ごと食べられる小さな魚とかも気をつけないといけないかもなと。そのうち食べた内臓から小さなプラスチックが出てきた、というクレームとか、飲食店で出てくるんじゃないのかなと、少々心配になりますが。。。

まぁ、そうなんですけど、人間が小さなプラスチック食べたら本当は体外に排出されると思いますよ、ガムも飲み込むと1週間ぐらいは体内に残るというけれども、最終的には排出されるみたいですから。

 

プラスチックのリサイクルについて

廃棄物業界におりますので、日本のおけるプラスチックの処理について。

ペットボトル等の飲料に使われるプラスチックは、80%以上がリサイクルされており、中国や国内での再利用が行われてきました、良質で安価な日本のリサイクル資源は中国で人気となり、大量に日本から中国へと輸出されることとなります。

順調にきていたプラスチックのリサイクルですが、最初の敵は原油価格の下落でした。プラスチックの原材料である原油価格が下がった結果、リサイクルするよりも、一から作ったほうが安くできる。という状況が起こってしまいました。

そして昨年に起きたのが、中国の廃プラ規制です。中国の国内で消費された大量のプラスチックをリサイクルするため、海外からの輸入を禁止。日本やヨーロッパのプラスチック資源は行き場をなくし、買取価格が8割以上は落ちたように思います。

皆さんがお住いの自治体にしてもそうですよ、みなさんに頑張って分別してもらったプラスチックゴミですが、買ってくれるところがなければ、最終的には燃えるゴミと一緒に燃やすしかない。という残念な状況もあり得るわけです。

ゴミをリサイクルして資源化するというのは、買ってくれる人がいるからこそ可能なわけで、いくら分別したって売れなければゴミとして捨てるしかないということですね。

 

腐らないから臭わない

さて、広大な海に拡散したプラスチックですが、このままであれば、増えることはあっても減ることはないでしょう。プラスチックは軽い、薄くできる、そこそこ強度もある、成型しやすい、そして何よりも安い。こんなに便利な素材はそうそうありません。

その便利さゆえに急激に拡大、ゴミとしてたくさん捨てていましたが、それほどプラスチックゴミについて論じられなかったのは、臭いがないから害がなさそうな気がしていたのでしょう。でも臭いが出ないということは、分解されていないということになり、「ひょっとして、プラスチックって永遠に分解されないんじゃないの?」というのが、現在地点かと思います。

海に広がったプラスチックは長い年月をかけても腐らず、そのうち海底にも堆積していくはずなので、遠い未来、人間が地球上からいなくなったとき、プラスチックは人類の示準化石となるのではないか、というジョークも、いまや真実味を帯びて聞こえます。

一方で、プラスチックを分解することのできる微生物や酵素も発見されているようですから、そういうブレイクスルーで一気に問題が解決する可能性もあります。

 

プラスチックの分類

とにかく種類が豊富すぎて、正しく分別することが難しいのが、プラスチックです。いまや中学校の理科でもプラスチックの種類について教科書で学ぶ時代です。下記の5つはテストにも出ます。

・ポリエチレン(PE)・・・レジ袋、ラップ

・ポリエチレンテレフタラート(PET)・・・ペットボトル、卵の容器

・ポリプロピレン(PP)・・・ペットボトルのふた、ストロー

・ポリ塩化ビニル(PVC)・・・消しゴム、水道管

・ポリスチレン(PS)・・・CDケース、食品容器、トレイ

ですが、実際にプラスチックをリサイクルとして分類する場合、最低でも16種類、実際には数えきれないぐらいの分類がされていて、素人がプラスチックを分類することは不可能なことが、プラスチックごみの問題の根源だと思うわけです。分けられなければリサイクルできないのですから。

プラスチック製品を作る側の課題として、ペットボトルのように、リサイクルを前提として、すべてのプラスチック製品にですよ、これはPSです、これはPOMです、これはABSです、という表記を義務付けすることがスタートラインだと思うんですよ、分別して売れるとわかれば、それを集める人はいる訳ですから。

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